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2010年04月23日

絵本クラブ ゴールデンウィークの営業ご案内

いつも絵本クラブをご愛顧いただき誠にありがとうございます。
弊社では、ゴールデンウィークの休業日を下記のとおりとさせていただきます。

   休業日 : 2010年5月1日(土) ~ 5日(水)

●ゴールデンウィーク中のお問い合わせについて
   メールでのお問い合わせは、ゴールデンウィーク中も24時間受け付けておりますが、
   4月30日17時から5月5日までにいただいたメールにつきましては、5月6日以降、
   順次、お返事させていただきます。

2010年04月22日

絵本ナビShop ゴールデンウィークの営業ご案内

いつも絵本ナビShopをご愛顧いただき誠にありがとうございます。
当店では、ゴールデンウィークの休業日を下記のとおりとさせていただきます。

   休業日 : 2010年5月1日(土) ~ 5日(水)

なお、Webからのご注文につきましては、ゴールデンウィーク中も休まずにお受けいたします。
ただし、配送およびお問い合せにつきましては、下記の通りとさせていただきます。
ご不便をお掛けいたしますが、何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。

●ゴールデンウィーク中の配送について
 ・ゴールデンウィーク中の商品出荷につきましては、弊社および出版社・メーカーが
  休業のため、商品確保などの都合上、通常よりもお届け、およびご案内に
  お時間がかかります。
 ・在庫がある商品につきましても、4月30日17時から5月5日までに承ったご注文は、
  5月6日以降、順次、発送させていただきます。
 ・「お取り寄せ」「予約」商品およびギフトラッピングご希望の商品は、
  お届けまでに通常よりお時間を要する場合がございます。

●ゴールデンウィーク中のお問い合わせについて
 【メールでのお問い合わせ】
  ・ゴールデンウィーク中も24時間受け付けておりますが、
   4月30日17時から5月5日までにいただいたメールにつきましては、5月6日以降、
   順次、お返事させていただきます。

2010年04月21日

「ゴーゴー・ミッフィー展」松屋銀座×絵本ナビ企画
ゴーゴー・ミッフィー展開催記念ストラッププレゼント!

ミッフィー誕生55周年を記念した大規模な展覧会「ゴーゴー・ミッフィー展」が開催されます。

人気絵本8作の原画やスケッチ200点が日本初公開!また、展覧会限定のオリジナル・グッズも数多く販売されます。ミッフィーファンなら見逃せませんね。

2010年4月22日(木)より、全国巡回の皮切りとなるのが東京松屋銀座8階大催事場です。
その松屋銀座さんが、絵本ナビユーザーの方へ向けて、素敵な特典をご用意してくださいました!

「ゴーゴー・ミッフィー展」開催期間中【2010年4月22日(木)~5月10日(月)】に、会場入り口受付にて「絵本ナビの特集ぺージを見た」と言うだけで、なんと先着100名の方に「ゴーゴー・ミッフィー展開催記念ストラップ」をプレゼント!!
お近くの方は、是非この機会にお立ち寄りくださいね。

「ゴーゴー・ミッフィー展開催記念ストラップ」
※招待券をご利用の方と中学生以下は対象外とさせていただきます。
松屋銀座 ゴーゴー・ミッフィー展 の詳細はこちら

ゴーゴー・ミッフィー展 の詳細はこちら

絵本ナビ×講談社 ミッフィー誕生55周年記念特設ページ
絵本ナビ×講談社 ミッフィー誕生55周年記念特設ページ

Illustrations Dick Bruna © copyright Mercis bv,1953-2010 www.miffy.com

2010年04月20日

絵本作家たかいよしかずさんにインタビューしました!

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 明治製菓「マーブルチョコ」キャラクターの「マーブルわんちゃん」など、数多くのキャラクターデザインを手がけられるとともに、「怪談レストラン」シリーズの挿絵や絵本「おはなし・くろくま」シリーズの創作など幅広く活躍されているたかいよしかずさん。ミキハウスさんの小さなお子さんから楽しめる絵本のディレクションも、数多く手がけられてきたそうです。
 その中から、今回はたかいよしかずさんがイラストも手がけられている「いろいろしかけえほん」シリーズ「わくわくとびだすえほん」シリーズ「とびだすなりきりえほん」シリーズのお話を中心にお伺いしました!

 普段は大阪で活動されているたかいさん。忙しいスケジュールの合間をぬっての取材にも関わらず、創作活動について、ご自身について、とてもパワフルで楽しいお話を沢山してくださいました。それもそのはず、たかいさんの名刺の肩書きには「HAPPY CREATOR(ハッピークリエイター)」なる文字が!人を楽しませることにかけてはプロなんです。その辺りの話も含めてお楽しみください!


たかいよしかず
明治製菓「マーブルチョコ」キャラクターの「マーブルわんちゃん」、大阪・ミナミの千日前商店街のマスコットキャラクター「みにゃみん」など多くのキャラクターデザインを手がけるとともに、イラストレーターとしても活躍中。挿し絵に、「怪談レストラン」シリーズ(童心社)、絵本にとびだす絵本『きょうりゅう』『ゆうえんち』『たべもの』(ミキハウス)、『こえがきこえる ワンワンおめん』「シール絵本シリーズ」(ポプラ社)、『へなちょこポヨヨンおえかきブック』(講談社)、「おはなし・くろくま」シリーズ(くもん出版)など多数。



■ 一緒につくっていくのが楽しい「しかけえほん」!


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「いろいろしかけえほん」シリーズ 
わくわく サーカス』『どこどこ どうぶつ』 たかいよしかず 作/絵 三起商行(ミキハウス)
▲ひっぱったり、まわしたり、いろいろなしかけが登場します。丈夫なボードブックとかわいいどうぶつたちが小さい子に嬉しいシリーズです。

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「わくわくとびだすえほん」シリーズ
きょうりゅう』『ゆうえんち』『たべもの』  たかいよしかず 作/絵 三起商行(ミキハウス)
▲ページをめくると、子どもたちの大好きな恐竜・乗り物・食べ物がダイナミックに飛び出します!


―― いろいろなタイプのしかけ絵本。どれも小さな子でも楽しめる、シンプルだけど驚かせてくれるしかけ、元気になるような絵が特徴ですね。こういったしかけ絵本のアイディアというのは、どのように考えられていくんですか?

 基本的にはクライアントさんありきなんです。まずミキハウスさんの担当の方から、「今度、とびだす絵本を出したいんです」とか、「こういう動きを使って何かできませんか?」という様なお話をお聞きします。本によって違うんですけど、担当者の方から例えば「動物のテーマでこんな感じでいきたいです」など、具体的にアイディアがある場合もあるし、「テーマはあるけどあとは好きに考えてください」と言われる場合もあります。色々ですね。もし、ある程度アイディアがあったとしても、僕の方で「こんなんどうですか。」と言って、そこにどんどんプラスさせて頂いて、そうやって一番いいものを出しましょう、という感じです。

 僕は、普段からとびだす絵本とかしかけ絵本がすごい好きなんです。動くとか、飛び出すとか、すごく楽しいですよね。おはなし絵本というのも勿論楽しいですけど、そこに動きがつくっていうのは、やっぱり子どもたちの興味を引くと思うんです。


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―― つくっている時は「子どもたちを驚かせたい」と思われながら?

 そうですね。でも、仕事をしていて一番思うのは、まず担当の方に喜んでもらいたい。そこなんです。きっとそれが、この本を見てくれる方にも伝わるやろう、という思いではやってますね。あとは、自分は何が面白いかっていうことですよね。

(ミキハウス編集者の方より)
 たかいさんは、すごくイマジネーションが豊富。最初に私たちから提案させていただきますが、「こういうほうが面白いですよ」っていう発想は、本当に沢山持っていらっしゃって。そういった意味では制作させていただく中で、本当にどんどん、どんどん、たかいさんワールド満載の世界になっていくというのが、ご一緒しての感想です。



―― 基本的なことをお伺いしてしまいますが、しかけ絵本をつくられる時、「しかけ」と「絵」というのは同時に考えられるのですか?

 例えば、「じゃあ、飛び出す絵本作りましょう」ということになった時に、「どんな物を飛び出させれば面白いかな」ということを、まず最初に自分の頭の中で考えるんですよ。要するに机の上ですね。でも、机の上で考えることってやっぱり限界があるので、「あ、もうこれ以上自分の頭の中の物は全部出した」となったところで、やっと外に出て市場調査をしたり、いろんな物を見て「あ、こんな手もあるんや、そうか、そうか」と。また帰ってきて、もっとどんどん、プラスしていけないかな、と考える。

 例えば、食べ物だったら「ラーメン食べさせたいな」って思うんですね。


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 ▲そのラーメンを食べているしかけは、音が聞こえてきそうなくらい!印象的。

 そのラーメンを食べるしかけがどうしても作りたい、ズズーってすすって。こんな面白いのないよなって。でもね、ページをもどすとまた口からバーッって戻るんです(笑)。そこが、なんかおかしくてね。
 だから最初に、「こんなふうに動いたらいいな」というイメージが、頭の中にある程度あって。もしサンプルで同じような動きのあるものがあれば、「この構造を使ってこういうことできませんか」と相談をさせてもらいながら。なかなかそこでうまく動かない事もあるんですよね。僕の頭の中では「もっとこんなふうに動いてほしい」という思いがあって。
 結局、しかけ作りを専門にされる方に入ってもらえて、その思いをミキハウスさんを通して伝えて頂けたので、とても楽しいものができたと思います。残念ながら僕はその方とお会いする機会はなかったんですけどね。


―― 自分で考えて、それを自分でつくっていく・・・という制作過程とはまた全然違うのがしかけ絵本なんですね。色々な人の手や意見が入っていって。大変ではないですか?

 きっと、そこが一番面白いのだと思います。僕は、本を作る時いつでも、担当の方との「勝負や」と思ってるんですよ。どっちが面白いものを作れるかとか、色んなことを考えられるかというね。それはどこの出版社でも同じで、その担当の方と「勝負しましょう」というスタンスで挑むんです。僕が「こっちの方が面白くないですか」というと、向こうから「こっちの方がもっと面白いと思います」というのが出て、で、「本当、そうやな」と思ったら、それを形にして行く。それでもね、やっぱり自分のほうが面白いと思ったら、「こっちの方が面白いと思うんですけど」ってしつこく、ずーっと言い続けるんですよ(笑)。

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 だから僕の場合、基本は作家ではないと思っているんです。半分デザイナーで、半分イラストレーターっていうスタンスで仕事に向き合うんですね。作家さんといえば、「自分はこれが描けます、この世界はどうですか」というのがあって、合う人がいると「じゃ、お仕事しましょう」となる。デザイナーは、クライアントさんありき。クライアントさんの要望をどれだけ聞いて、それを自分の中に取り込んで、形にできるかっていうところが一番の基本なので、コミュニケーションがないと絶対成り立たない世界なんですね。そこでいろんなことお聞きして。クライアントさんが言うことと、消費者の思ってることとは、相反することが結構多いんです。だから「じゃあ、今回は両方の意見を聞いて、このへんで線を引きますよ」っていう、線引きをできる人がデザイナーになってほしいなと思うし、僕もそうありたいと思っています。どっちの目線にも、どっちの立場にも立てる、そんなふうに思いながら、仕事はしてます。



■ ほかの人の立場にたてる絵本

―― この「とびだすなりきりえほん」シリーズというのがまた面白いですよね。

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「とびだすなりきりえほん」シリーズ
『どうぶつごっこ』『にんきものごっこ』
▲開くとお面になっていて、真ん中に穴が開いています。そこから顔を出すと・・・。

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▲犬にへんしん!              ▲海賊にへんしん!
※顔が大きくはみだしているのは、子どもサイズだからです。

 これも「お面を使って遊べるものを作りたい」「男の子バージョン、女の子バージョンがほしい」というお話があったんです。それで「こんなものが、飛び出したら面白いんじゃないですか」とか、いろいろお話させてもらって。
 これ、すごく面白いんですよね(笑)。小さい子がこうやって顔を出して。顔を出している方は、どうなっているか見えないんですけどね。鏡でうつしてみるとか、だれかにやって見せてもらうとか。やってもらったりすると、すごく盛り上がるんですよ。


―― 色々な人や動物になりきれるっていうのが、子どもたちにも喜ばれそう!

 変身できるって、子どもにとってすごく楽しいですよね。僕は、よく着ぐるみの絵とかも描きますが、そういうのって絶対楽しい。例えば子どもが怪獣をかぶって、お父さん、お母さんに、「自分は怪獣だー」って言って。もう、そうすると子どもの方が強いですよね。「お前たちやっつけてやる、えい、えい」とか言って。そうやってなりきれるっていうことで、色々な人の立場に立てるようになれるというか。それが怪獣の立場であったり人間の立場であったり、ちょっとでも絵本を通してそういうことを感じてもらえればいいなと思うんです。

 いつも、子どもたちに何を伝えたいのか、考えているんですが、その中の一つとして、相手の気持ちが分かる人になってほしいなっていうのは、すごく思うんです。例えば、今のいじめの問題にしても、もし自分がされて嫌なことは、やっぱり人にはしないとか、それが基本。そういう人間としての一番の大切なところが、僕の絵を通して伝えられたらなって思ってます。それで、「なりきる」ということで、その人の気持ちに立てるっていう、入り口になってくれるかもしれないということですね。


―― 動物の気持ちになってみる、というのも。

 動物の気持ち。僕は、そういう気持ちになるとね、お肉食べれなくなっちゃいます(笑)。昔、水族館に行ってね、エイにさわったんですよ。そしたらすごく可愛くて、もうそれからエイヒレ食べるのやめよ、と思ったんで、もうお肉大好きなんで、ウシもブタも触らんとこ、と思ってます(笑)。



■ 肩書きは「HAPPY CREATOR」!

―― 冒頭でも少し触れましたが、たかいさんの名刺の肩書きには「HAPPY CREATOR(ハッピークリエイター)」の文字が!

 つかみはこれでOKなんです(笑)。最初に、パッと出すと、「え、HAPPY CREATORって、なんですか?」となるんです。元々会社に入った時は、「イラストレーター」という肩書きを名乗っていたんです。でもそのうちに、今僕のやりたいのは単にイラストを描くことではなくって、それを通していろんな方を楽しい気持ちにさせられる、もっともっといろんな事をしていきたいなと思って。その後「ライフデザイナー」という肩書きを経て、現在の「HAPPY CREATOR」になりました。絵本やデザインだけでなく、更に、映画を作ったり、美術館をつくったり・・・いろんなことをしたいという気持ちがあるんです。


―― いろいろなジャンルに渡って活躍されてるのも、すごく納得ができますね。絵本でも、やっぱりたかいさんの作品というと、元気になれる色を使われているイメージがあるんです。そのあたりもこだわられているんですか?

 好きな色、というのはありますね。実は、昨日たまたま資料を探していたら、古いノートが出てきたんです。そこに、「好きな色の組み合わせ」と書いてあって、色のチップが4枚貼ってあったんです。それがまさに、「おはなし・くろくま」シリーズの表紙の色だったんですよ。


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▲かわいくて好奇心いっぱいの“くろくまくん”が活躍する「おはなし・くろくま」シリーズくもん出版)。

 20年前のノートだったんです。すっかり忘れていたんですけど、「変わってへんなー」と思って。愕然となったけど、「あ、やっぱり芯は一緒なんやな」とも思って。変わらないといけないところと、変わってはいけないところが、ちゃんと自分の中に共存できてたんかなって、ちょっとだけ思えたんです。

 特に、ミキハウスさんの本の場合は、ミキハウスさん自体が子供服のメーカーさんで、まさに赤がメインカラーだし、元気な色使いですよね。たまたまそれが、ぼくの好きな色と、ピタッと一致してたというところも大きいですよね。
 自分の中では、そうやって派手な原色を使う自分もいて、一方で渋い色も使える自分もおったらええなって、思うんですけど、なかなか渋い自分は出てこないんです。もっと考えてやれば出せるはずやってすごく思うのに、結局気が付いたら、カラフルな色になってるんですよ。「おはなし・くろくま」シリーズは、とりあえずカラフルに見えてても、2色しか使っていないんです。敢えて雰囲気はいつもと変えてみたんです。


■ 作家たかいよしかずさんの原点はウルトラマンの怪獣!?

たかいよしかずさんご自身についても少しお伺いしてみました。

―― 子ども達を楽しませるために、普段から、リサーチをしたり観察したり・・・ということはあるんですか?

 あんまりないんですよね。子どもが何が楽しいと思ってるかというのを知るのは、絶対大切なことやなって思います。でも会社で仕事していたら、なかなか機会ないし、じゃあどうやってその話を聞くのか、子どもさんのいるお宅に行って話を聞くとか、電話して聞くとか・・・。たまに小学生ぐらいの子どもさん集めて、図書館とかでワークショップを頼まれるんですよ。その時に、子どもたちと一緒に紙工作とかやって、子どもがどうするのかなとかね、どこまで想像力が発揮できてんのかなとか、見ながら。自分も楽しいからやってるんですけど、やりながら、観察はしてますかね。あと、うちの奥さんが保育所にアルバイトに行っていたり、子どもの絵画教室をやっているので、よく話を聞いたりしてます。


―― そうすると、ご自身が子ども時代の目線にもどって作品をつくる・・・という部分が大きいのでしょうか?

 大きいですね。僕は、子どもの頃、めっちゃとんでもない子どもだったんです。大人しくはなかったですね。虫とりがすごい好きで。うちの近所は、お墓にクヌギの木がいっぱい生えてたんですよ。で、学校終わるといつもお墓に行って。でも、そのクヌギの木が生えているところって、墓石が並んでいる奥なんです。で、その低い段のお墓をかこっている石にパッと飛び乗って、「すいません、すいません」って言いながら、木にパッて飛びついてワーって登って、木の穴に手つっこんで、クワガタムシ捕まえたりとかしてるような子どもで。


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 僕ね、小学校のたぶん2年くらいの時に、将来は昆虫博士か怪獣博士になろうと思っていたんです。僕の今やってる全ての作品の原点は、ウルトラマンの怪獣やなと思ってます。一度だけ、グループ展に展示するための作品がつくれなくなった時があったんです。色々悩んだり、試行錯誤したり。映画を観に行ったり、他の人の作品を見に行ったり。でも、なかなか進まなくて。その時、自分は何が原点にあったのか、よく考えたんです。そしたら「あ、ウルトラマンの怪獣や」と気が付いて。そこからは早かったんです。

 そういう経験もあって、今やってる仕事は全て、子どもの時の体験がベースやなって、思います。だから、今までやってきたことは、何一つ無駄なことはなかったなって思えるんです。


―― もう子ども時代からのずっとが、今の仕事につながってるという感じでしょうか?

 もう、ずっとずっと続いてますね。幼稚園のころから絵を描くのが好きで、でも、もう既に、同じクラスに自分よりも絵の描くのがうまい子がいる、っていうのを知ってたんですよ。もう、こいつには勝てない、自分が絶対一番とは思えなくて。既に挫折なんですよ。そしたら違う小学校に行ったんで「やったー」と思っていたら、小学校にもまた自分よりも絵がうまい子がおるんですよ、「あ、こいつにも勝たれへん」って。その子に、ノート持っていって「怪獣の絵描いて」って言って、よく描いてもらってたんですけどね。でも自分は、将来漫画家になりたいな、って思っていたりして。本当に、今やってる仕事は、天職と思いますね。今まで自分の中では自分が一番じゃなくて、自分も一番になりたいなって思って、仕事をやってます。絵のうまい人は山のようにいるけど、その中でこういう仕事につけて、ずっと続けていけられているのは、すごくありがたいことだと思っています。


■ きっかけは教育実習で・・・

―― 絵本作家になりたいと思われたきっかけ、というのはあったのでしょうか?

 きっかけは、大学の4回生の時に、母校の中学校に教育実習に行ったときです。先生になるつもりはなかったんですけど、行く以上は、「こんなこと教えてあげたいな」っていうことを作っていって。そしたら先生には「いや、学校のカリキュラムがあるから、それに沿ってくださいね。人物デッサン」と言われて。「人物デッサン、僕一番嫌なやつやんか」って思いながら。

 でも最後の日に、その頃友達と作っていたアニメーションを生徒に見せてあげたりして、「今学校で教えてもらってることはほんの一部のことで、美術っていう世界には、もっといろんなことが沢山あるんですよ」っていうことを、伝えたんです。その時に、美術の先生だったらできそうかなって思ったんです。でも、今の中学校は、生活指導のできる人が先生になるべきなんだと思いました。ただ、自分の中には、子どもたちに伝えたいことがある気がしたんですよ。じゃあ、何が伝えたいかなって、どうやって伝えられるのかなって思った時に、「それなら僕は、将来絵本作家になって、子どもたちに絵本を通していろんなことを伝えてあげられたらいいな」と、その時決めたんです。

 だからって、学校を卒業してすぐに絵本作家になれるわけではないので、イラストレーター、デザイナー、キャラクターデザイナーといろいろ仕事をしてきました。そこから段々と縁があって、幼年雑誌などのお仕事をさせてもらえるようになって。そこがスタートですね。


―― ミキハウスさんの本のディレクションもたくさん手がけられるようになったとお伺いしました。

 ちょっとずつ声がかかるようになって、だんだん絵本界の方向に来たときに、今から多分14~15年ぐらい前ですかね、ミキハウスさんのお仕事をスタートさせてもらって。この10何年で、多分50冊以上は絵本を作らせてもらっているんですよ。ミキハウスさんの場合は、音の出る歌の絵本なんかを沢山出させてもらってるんですけど、それは僕が絵を描いてるのではなくて、もともとうちの会社のデザイナーさんが作ったキャラクターが、ミキハウスさんの出版の方のキャラクターに決まって、ラフは僕が担当の方と打ち合わせして全部描いて「これ、どうですか」「OKです」、と決まればそれをイラストを描いていただく方に「このまま絵を描いてください」って言って。僕がディレクションを全部やってたんです。

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 本当にそこでいろんなノウハウも勉強させてもらったし、ちょっとずつ自分のオリジナルなキャラクターやイラストでお仕事がいただけるようになって。その頃、マーブルわんちゃんのキャラクターや他の仕事が一斉にスタートした感じでしたね。どんだけ仕事しててん、すごいやん、そのときの僕って、って(笑)。


※たかいさんがディレクションされた最新作品は「マーブルくんのいちにち」という布えほん!遊びながらあいさつやしつけを学べてしまう、充実した内容になっています。こちら>>>


■ 小学生に大人気となった「怪談レストラン」シリーズ

―― たかいよしかずさんといえば、「怪談レストラン」を思い浮かべる小学生のファンもたくさんいるでしょうね!

 『怪談レストラン』は、会社に電話がかかってきたんです。「童心社といいますが、今度怪談話の本を出したいので挿絵の絵をお願いしたいんです」と。「すいません、僕、怖い絵は描けないんです。かわいい絵だったら描けるんですけど。」と言って一瞬断ろうとしたんですよ。そうしたら、担当の方が「いや、たかいさんの作品は絵を見て知ってるんです。お話が怖いので、挿絵は怖いような、かわいいような絵が希望なのでお願いしたいと思いました。」と言われて。それを聞いて、「大丈夫です、やります」と自信満々に答えました。自身満々に答えたものの、原稿を送ってもらって読んだら、おばけよりも人間がいっぱい出てくるんですよね。「しまったー」と思いました。人間描くのはあまり得意ではなかったもので。


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「怪談レストラン」シリーズ童心社)。結構怖い話が収録されていますが、たかいさんの絵がほっとさせてくれますね。
※「怪談レストラン」シリーズの挿絵は、たかいよしかずさんと、かとうくみこさんが担当されています。

 なので最初は、人間を描く練習を沢山したり、おばけが出そうな場所を探したり。そしたら、本当に偶然に目の前にいかにもな廃墟が現れたことがあって・・・。それは本当に怖くて、でも写真は撮って。結局写真には何もうつってなかったんですけど、自分が小学生の時に感じた怖いという気持ちが体の中にがーんと入ったんです。だからスタートできたんだと思いますね。仕事を始めるにあたって、自分がどれだけ気持ちを入れられるかというのは大切なところやなって思いました。
 僕はデザイナーなので、このシリーズのデザインも任せてもらいました。最初は全5巻だったんです。「表紙は全部真っ黒にしてください」と言われたんですけど、「それは怖すぎるからダメじゃないですかね」と。それで今のカラフルな表紙になりました。今では全50巻プラス別冊3巻が出てきます。


■ 最後に・・・

―― 絵本作家になられて「ああ、楽しいな」と思う瞬間だったり、「よかったな」と思う瞬間というのはありますか?

 僕は毎年神戸でずっと個展をやっていたんです。14~5年間。震災の前からずっとやっていて、震災が起きた前の年にもたくさんお客さんに来ていただいて。
 
 震災の後、僕には何ができるのかって考えたんです。そんな時、友達のイラストレーターが大阪で個展をしたので見に行ったら、そこでその子が作ったポストカードを売っていて。その売り上げ金は全部震災の復興の為の寄付に回します、と書いてあったんです。「あっ、これやったらできるやん」と思って、僕も始めたんです。僕一人の力では知れてるので、知り合いのイラストレーターの人に声をかけさせてもらって。そしたら、そこからどんどん、どんどん紹介してもらって、ものすごい数が会社に来たんです。それを、いろんな人が個展やってる会場や、知り合いのギャラリーさんに行って「これ置かせてください」とか頼んで。集めたお金を、じゃあどこに寄付するのが一番いいかなって考えたときに、やっぱり子どもたちやなと思ったので、「あしなが育英会」というところが子どものためのケアハウス、レインボーハウスというのを建てたいというのが掲載されていたので、そこに全部寄付したんです。なんぼ寄付したかもう全然覚えてないですけど。
 
 本当に沢山の人が「使ってください」って言って送ってくれたんです。長新太さんからもポストカードが届いたときには、もうびっくりしたんですよ。「長新太さんから来たよ。どっからこんな話回っていったんやろ?」と思ってね。黒井健さんが「私はポストカード作ってないんで、テレホンカードを送ります」って言って送っていただいて、本当に嬉しかったですね。こんな自分でも、自分のできることで人の役に立つことがあるんやと思ったら、この仕事についてよかったなと思いました。

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 あと、実はうちの会社で今年新入社員が二人いるんですけど、そのうちの一人の子が、小学校6年のときに初めて僕の作品をその神戸で見て、将来私はこういう仕事に就きたいと思いましたって言うんです。そんな子がうちの会社に就職するんですよ。「うわぁ、やっぱり個展は止めたらあかんねやな」って思ったし、そういう人たちとしゃべったときに、「ああ、この仕事やっててよかったな」って、すごく思います。でも、同時に責任というものもすごく感じますね。


――  最後に、絵本ナビの読者に向けて、メッセージをお願いできますか?

 子ども達には何でも体験させてあげてほしいですね。その入り口が絵本で、あ、こんな世界もあるんやったら、じゃあ今度、実際そんな所に行こうとか。例えば昆虫の博物館みたいなお話を読んだら、そういう所に行ってみようかとか、そういう入り口として絵本があれば、すごいいいと思います。

 僕は実は小学校のときには、親から「本読め、本読め」ってずっと言われてたけど、親が言う本って面白くないんですよ。何か歴史の本とかね。でも、小学校の5、6年生の担任の先生が美術大学出の先生で、図画・工作にすごい力入れていて、その先生がすごい好きで。その先生がクラスに読書表というのを貼ったんです。「本を1冊ずつ読んだら、このグラフを1個ずつ塗りなさいね」と言って。僕は、負けん気だけは強かったから、「えっ、じゃあ今まで本あまり読んでなかったけど、取りあえず読んでみよか」と思って、図書室に初めて行ったら、SFの本とか、面白い本がいっぱいあったんですよ。初めて「こんな本も学校の図書室にはあんねや」って知ったんです。そこから本が好きになって、でも学校の図書室は、自分が好きそうな本は大体読み尽くしたから、じゃあもう図書館に行こうと思って、家から自転車で二駅ぐらい向こうの市立の大きい図書館まで行ったりしてね。

 そういう経験もあるから、図書館はやっぱり親が安心して子どもを遊びに行かせられる場所であったらいいんちゃうかなと思ったんです。図書館で個展させてくれるというお話があったので、「子どもが本を読む部屋に作品飾らせて」って言ったんです。今まで図書館に来たことのない子どもが、僕の作品が見たいがために来て、ちょっと騒がしくなるかもしれへんけど、ぐるぐるして「あ、作品の横にこんな本もあるやん」と思って、手にとって見てくれたら、そこからまず1歩をスタートできるんちゃうかなと思ったんです。

 そんな風に、僕みたいなきっかけになった子もおったら、それが一番いいことやなと思って。本や絵本を読むことで、その世界にどれだけ浸れるかとか、人の気持ちに立てるかとか、そういう入り口であってほしいなって思います。


―― ありがとうございました!

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▲最後に記念にぱちり。


 ここではお伝えきれなかったのが残念なのですが、本当はもっともっと色々な話をしてくださったのです。今まで出会って感動した方の話や、イラストレーターとしてのお仕事の話、高校や大学で授業をされた時の話などなど・・・。出会いや発見をとても大事されているたかいよしかずさんならではのエピソードの数々に惹きこまれてしまい、あっという間に時間が経ってしまったのでした。
 その豊富なイマジネーションとパワーで、今度はどんな絵本やキャラクターを生み出してくれるのでしょう、楽しみですね!

2010年04月19日

【4月23日(金)深夜】メンテナンス作業に伴うサービスの一時休止について

2010年4月23日(金) 深夜0時ごろ~朝6時ごろ

上記期間、システム増強に伴うメンテナンス作業のため、
弊社Webサイトの全サービスを一時休止いたします。
なお、作業状況により、多少前後する可能性がございます。

 <一時休止するサービス>
   ・絵本ナビ
   ・絵本ナビShop
   ・絵本クラブ
   ・絵本ナビコーポレートサイト
   
ご利用の皆さまにはご不便をお掛けいたします。何卒ご了承ください。
どうぞよろしくお願いいたします。

2010年04月14日

「MOEができるまで」
MOE編集部におじゃましました!

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絵本とキャラクターの月刊誌MOE
2009年に創刊30周年を迎えられました。
絵本ナビでも新刊&バックナンバーを取り扱っているので、ご存知の方も多いですよね。

絵本を軸にして、関連する情報が満載の絵本専門誌です。人気絵本・人気キャラクターをテーマにした巻頭大特集のページは徹底した取材と豊富なビジュアルが魅力!
「絵本の世界って、こんなに面白くて奥深いものなんだ・・・」と気が付かせてくれる大事な存在です。
また、アート・映画・旅・ハンドメイド雑貨・スイーツなど、旬の情報もたっぷり詰め込まれています。絵本ファンはもちろん、詳しくなくても気軽に楽しめるようになっています。絵本の世界を身近に感じさせてくれる、というのも大きな特徴なのかもしれませんね。


そんな雑誌MOEを、毎月生み出しているのが「MOE編集部」。
今回、何と月刊MOE副編集長の森綾子さんにご協力いただき、お邪魔させて頂けることになりました!

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▲静かな熱気にあふれる編集部。

そこかしこに珍しい資料や絵本がたくさん!目移りしてしまいます。
ずっと愛読してきたMOEの裏側をのぞくことができる・・・と、冷めやらぬ興奮を抑えつつ、
色々なお話をお伺いしてきました。お楽しみください。


■ 月刊MOEのできるまで                


取材させて頂いたのは、ちょうど2010年4月号が発売されたばかり。
この時期に主に取りかかっていたのは、5月号、6月号だそうです。
5月号はすでに入稿が終わり、最終段階の作業が進行中、6月号では原稿依頼や取材の真っ最中、更に7月号に向けて取材の為に海外出張中!と並行して作業が進められていました。
この時点で9月号位までは、大きなテーマは決定しているそうで、そんな風に常に同時進行で作業が進められているのですね。

今回は、2010年4月号を中心に、完成までの様子をわかりやすく教えて頂きました!

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▲巻頭大特集は「リサとガスパール&ペネロペのすべて」。
表紙の絵は、「リサとガスパール」と「ペネロペ」が一緒に登場している貴重な3ショットです!

中を開いていくと、
作者アン&ゲオルグ夫妻のパリの新しいアトリエを訪問した取材記事や、「リサとガスパール」「ペネロペ」それぞれのキャラクターの紹介や徹底比較、絵本の舞台となるパリの町の紹介や、最新グッズなどなど・・・知りたい!と思っていた情報が次から次へと続き、絵本ファンにはたまらない内容となっています!

それでは、どうやってその内容が決まっていくのでしょう?
森さんに、他では見られない貴重な資料などを見せて頂きながら、完成していくまでの工程や、雰囲気などをお伺いしました。


★企画会議


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「毎月企画会議というのが開かれるんです。」と森さん。
編集部全員が、それぞれ一冊まるごと「どんな構成がいいだろう」と、内容を考えて企画書を作成し、提示するそうなのです。
  
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▲特別に4月号「リサとガスパール&ペネロペ特集号」に提案された企画書を見せて頂きました!

こんな風に、巻頭大特集から関連特集、連載記事までひととおり考えます。 
ちなみに、編集部の人数は現在7人。
(その他に、ほぼ毎月仕事をお願いするカメラマンさん、ライターさん、デザイナーさんもそれぞれ4~5人いらっしゃるそうです。)
各自がそれぞれ情報を収集し、その時期にぴったりな内容を企画したり、
得意分野のジャンルで企画したりします。
   
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★企画が決定!
  
基本的には、採用された企画を考えた人がその特集の担当となり、一人(!)で進めていくのだそうです。もちろん、特集内容に合わせてライターさんやカメラマンさん、デザイナーさん等々に依頼して、取材や撮影などの準備を進めていきます。

特集が、とても流れのある内容となっているのは、一人の方が全て企画されているからこそなのかもしれませんね。

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▲こちらはMOE4月号の「台割(だいわり)」。編集長が管理します。

そして、特集内容、連載記事の内容等が決まるとこの台割に記入していきます。
それぞれ細かい記事は、他の編集部員が担当していきます。
(毎号必ず担当ページが1ページ以上はあるそうです。)
見方は難しいのですが・・・MOEは中綴じ製本なので、真ん中の数字を中心に
右に刷られるページ、左に刷られるページ・・・という並びで表がつくられています。

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▲編集後記や次号の予告、広告ページなども含めて全ての決定事項を入れていきます。

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▲「絵本ナビの広告見つけた!」小さなことで喜んでしまうのは素人ならでは・・・。

★詳細内容を決めていく

 
台割がほぼ決定すると、いよいよ具体的に動き出します。

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▲ページ割り。例えば巻頭大特集の30ページの中でそれぞれのページ数、流れなどを決めていきます。

アトリエ訪問の記事は何ページ分使って、
「リサとガスパール」「ペネロペ」のキャラクター紹介は2見開きずつにして・・・などなど。
取材をしてみて、その内容によってページ数を変更することもあるそうです。


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▲デザイナーさんにデザインの依頼をする為のラフです。

こちらも担当編集の方が描いていくそうです。
巻頭特集のデザインにはアートディレクターさんが手がけるそうで、
話し合いながら具体的なレイアウトを考えていきます。

例えば、アン&ゲオルグ夫妻の写真がとても素敵だったので大きく使いましょう!というと・・・
(ラフ画像の右上の欄)

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▲一ページに大きく掲載されるレイアウトで完成!

引越しされたばかりのご自宅兼アトリエのソファで、仲良くくつろぐお二人の写真には本当に魅入ってしまいます。

「MOEの読者の方は、絵本の背景にある情報を知りたいという方が多いですね。中でも作者ご本人が登場するぺージというのは一番人気があります。 だから、現地に取材に行くのは大変だけれど、そこはしっかりと時間と手間をかけて作っていきます。」と森さん。
この号の為にも、カメラマンさん、通訳さん、ライターさんなどに依頼してパリまで取材をしています。

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また、絵本の表紙画像や中味画像などを贅沢に使ったレイアウトもMOEの特集ページの魅力です!
「作家の方々のご厚意で、かなり自由な誌面づくりができていると思います。」


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▲『リサとガスパールのクッキングブック』に登場するお料理を実際に作って撮影。すごく可愛い!

左の画像がこのページのラフ、右が実際のページです。
お料理や小物の写真での、こだわりのスタイリングも見逃せません。


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▲記事を作るために撮った写真は、かなりの数!?

奥がアトリエ訪問取材の写真、手前が料理の写真。
それぞれ、得意分野のカメラマンに依頼するのも編集の方のお仕事なのだそうです。


★いよいよ仕上げ!

  
依頼したラフをもとに、デザイナーさんからレイアウトページが送られてきます。
    

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▲チェックしながら、写真やレイアウトの変更などをしていきます。 
   
そしていよいよ入稿!印刷会社にデータを送ります。
送られてきた刷り見本をもとに、色校(刷り上がりの発色のチェック)などを行います。

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▲4月号のおまけ、特製リサとガスパール&ペネロペシールの絵が印刷された段階!シールになる前です。ワクワクしますね


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▲表紙の色も、初校、再校、三校と修正していきます。

言われてみると、空の色や、ペネロペの色などかなり変化していますね。
同時に細かい誤植なども修正していきます。

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▲こちらは目次順に並べて一冊にまとめた状態です。分厚いですね。

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▲これを、1ページ1ページ、間違いがないかチェックしていきます!

チェックを担当するのは編集長と副編集長である森さん。
この作業もまたかなり大変そうなのです。

そして出来上がったのがこちら!!

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皆さん、実際に手にとって味わってみてくださいね。


■ 巻頭大特集の他にも、人気の企画や連載がたくさんあります!

 

ご存知の通り、巻頭大特集の他にも、月刊MOEには人気の企画がたくさんあります。
例えば描きおろし絵本コーナー。
   

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発表された作品が、のちに書籍化される事も多いこのコーナー。
MOEイラスト・絵本大賞で受賞された新人作家さんから人気作家さんまで、
かなり贅沢な内容を毎号楽しむことができるという事なんですよね。
(写真は2010年3月号より。2007年MOEイラスト・絵本大賞で準グランプリを受賞されたもりかさんの作品です。)

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「絵本作家さんにおそわる描き方教室」など、実際に作家さんが絵を描かれている様子が見られるコーナーは、イラストレーターを目指している読者はもちろん、そうではない方にも大好評なのだそうです。
(写真は2010年3月号より。ダヤンシリーズの作者池田あきこさんが実際にダヤンを描く過程を細かくみる事ができるのです!)
絵本が出来上がる前の鉛筆で描かれたラフスケッチなど貴重なショットが満載なのも、MOEならではですよね。


■ 特集内容の幅はどんどん広がっていきます。                


上の2コーナーが掲載されているのは、2010年3月号西巻茅子さんの『わたしのワンピース』のうさぎさんが目印!

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▲巻頭大特集は「絵本みたいな雑貨が生まれるまで」。
可愛い雑貨をつくるアーティストがたくさん登場しています!

こんな風に、絵本だけでなく、絵本に興味を持った人が、
更に広がっていくであろう世界についても徹底して取材をしてしまうのが
MOEの大きな魅力の一つでもありますね。
その他にも美術館、カフェ、映画などのテーマなどで特集されている号もあります。

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「絵本はあんまり詳しくないけれど、このうさぎさんには見覚えがある!とか、可愛いものが大好き!という方って沢山いると思うんですよね。そういう方達が自分の興味のあることをきっかけに絵本の世界を知ったら、きっとどんどんはまってくれるんじゃないかと。そういう意味でも、常に間口を広げておきたい、というのはありますね。」と森さん。
こういう特集号があるからこそ、MOEには広いファン層がいるのでしょうね。
普段、絵本に縁がないような人達でも気軽に絵本の世界が楽しめる雑誌がある・・・というのは、とっても大きな存在なのだと思います。

更には、今年で2回目となった大好評企画「絵本屋さん大賞」の様な、新しい動きというのも目が離せません!

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▲2009年2月号    ▲2010年2月号


■ 忙しそうな編集部の様子を、そーっと探索!                


最新号に向けて、作業真っ最中の編集部は当然大忙し。
そんな所をこっそりお邪魔しながら、探索させて頂きました・・・。


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▲まだ発売前だった2010年5月号「ミッフィー大特集」の資料もたくさん!

2010年5月号は、今年誕生55周年を迎えるミッフィーの大特集です。
ディック・ブルーナさんとMOEとのお付き合いは、とっても長いそう。
MOEの取材だったら・・・と、いつも快く受け入れてくださるそうです。
この号では、今も変わらず毎日絵を描いているブルーナさんの様子を見る事ができます。
※MOE絵本フェスティバルでは、直筆コメントも展示さています!>>>

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▲最新刊はきれいに並べられて。もちろん、バックナンバーはぎっしり。


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▲あきらかに邪魔をしてしまっています・・・。でも、皆さんとっても温かく受け入れてくださいました!

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最後に森さんと記念にぱちり。
貴重な体験をありがとうございました!


★最後に月刊MOE編集長の新村晃一さんより、絵本ナビ読者に向けてコメントを頂きました!


国内外の絵本を中心に、編集部スタッフの琴線にふれた
愛らしいもの、かわいいもの、美しいものを、
これからもどんどんご紹介していきます。
日常を少しだけはなれた世界で心を遊ばせたいとき、
ほっこりとなごみたいとき、ぜひMOEを開いてみてください。
*4月19日まで名古屋パルコで開催中の「MOE絵本フェスティバル」では、
たくさんの絵本原画をはじめとする、充実した展示がご覧になれます。
ぜひ足をお運びください。

MOE編集長 新村晃一


<おまけ>
今回、取材にご協力頂いた森さんが担当されている来月2010年6月号のMOEの巻頭大特集のテーマが「子どもに手わたす絵本100」。
0歳から10歳まで、年齢別におすすめの絵本をずらり100冊ご紹介しています。MOEが本格的に子どものための絵本特集を組まれたのは始めてなのだそうです。
そしてその記念すべき特集に、何と、私イソザキも絵本ナビ編集長として登場します!こちらもお楽しみに・・・。

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▲一足お先に中味ページをご紹介!右下の一番右がイソザキです。

2010年04月07日

絵本『ももんちゃん こちょこちょ』
作者とよたかずひこさんにインタビューしました!

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「ウチの子にそっくり!」とママたちの間でも大人気のももんちゃん。
絵本の中で、走ったり、転んだり、泣いたり、笑ったり。
「ももんちゃん あそぼう」シリーズは最新刊『こちょこちょ ももんちゃん』を合わせると12冊にもなるんです!

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その最新刊の発売を記念して、作者のよたかずひこさんへのインタビューが実現しました!
「ももんちゃん誕生」の秘密から制作過程、新刊『こちょこちょ ももんちゃん』について、更には、普段からよく学校などで読み聞かせをされるという、とよたさんならではのエピソードなどなど、興味深いお話をたっぷりご紹介します。


とよた かずひこ
1947年宮城県生まれ。早稲田大学第一文学科卒業。主な作品に『でんしゃにのって』などの「うららちゃんののりものえほん」シリーズ全3巻、『バルボンさんのおでかけ』などの「ワニのバルボンさん」シリーズ全5巻、『ブップーバス』などの「あかちゃんのりものえほん」シリーズ全4巻(以上アリス館)、『やまのおふろ』などの「ぽかぽかおふろ」シリーズ(ひさかたチャイルド)、『どんどこももんちゃん』[第7回日本絵本大賞]などの「ももんちゃんあそぼう」シリーズ、『おにぎりさんがね・・』などの「おいしいともだち」シリーズ(以上童心社)がある。紙芝居作品に『でんしゃがくるよ』『もみもみおいしゃさん』(以上童心社)などがある。


■ スーパーあかちゃん誕生                 


―― 桃みたいな可愛い顔におむつをはいた姿で、どんどこどんどこ走っていくももんちゃん。その堂々とした風貌はまさに「スーパーあかちゃん」。あかちゃんや小さい子だけでなく、「うちの子にそっくり」とママたちにも大人気!そんな主人公のももんちゃんは、どの様に誕生したのでしょう?


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どんどこ ももんちゃん』 とよたかずひこ さく/え 童心社

 ももんちゃんはね。桃太郎のイメージがあったんです。主人公は男の子のつもりで描いているんです。『どんどこももんちゃん』の中で、くまさんを倒すという場面も最初は桃太郎のイメージがあって。あかちゃんがくまを倒す、力強いですよね。そんな「スーパーあかちゃん」というキャラクターは後からついてきて。確かに「うちの子にそっくり」という声は多いんですよ。どちらかというと、女の子の方が多い。だから、あんまり男、男って言うのはやめたんです。


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―― そうだったんですね!そんな風に、絵本をつくる時には、まず色々な設定を決めてから描かれるんですか?

 絵本をつくる、誰かにメッセージを描く場合には、キャラクターの性別とか年齢とかっていうのは、どこかで意識するんですよ。物語には投影されないけれども、どの作品に関しても、必ず背景みたいなものは頭の中で描きます。この人はどういうところに住んでいて、家族はいるのか、いないのか、というような設計図を描くわけですよ。
 ももんちゃんの場合、よく読書カードで「早くお父さんを作中には出してください」という声はあるけど、これは母一人子一人なんですよね。それは設計図なんです。だから出てこないの。そしてももんちゃんは、男の子なんです。でも、特に読者がそれを女の子として読んでくださっても、間違いではない。作者の手を離れれば読者のものというのは、そういうことですからね。


―― 先ほど「スーパーあかちゃん」というキーワードも出ましたが、そういえばももんちゃんは自分で遊びにいったり、広い広い景色の中に一人でいたり・・・そんな風にあかちゃんがぽつん、といる感じって絵本の中でも珍しいですよね。

 そうかもしれません。実は、ももんちゃんは“自立したあかちゃん”なんです。
 今、親子のスキンシップが大事だって言って、そういう絵本はいっぱいある。確かに普遍性のあるテーマなんだけどね。それよりは、あかちゃんがもともと持っている生命力みたいなものをたたえよう、という気があったんです。親子の関係を、べったりというよりも、逆にちょっと突き放した感じでやりたいなあ、というのがね。
 ももんちゃんシリーズの中で、『ももんちゃん どすこーい』という、しこを踏むのがあるんだけど。さらに凛々しい感じのね。アイデアとしては、こちらの方がむしろ先だったんです。『どんどこ ももんちゃん』とこれはリンクしてるんです、お相撲とったりして。

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ももんちゃん どすこーい』 とよたかずひこ さく/え 童心社


 でも最初これは、あかちゃん絵本としては難しいと言われたんですね。だって、砂漠とかサボテンとか、日常あかちゃんが目にしているものとは程遠いものが、登場してくる。あかちゃんに、砂漠と言ったってわからないし、サボテンなんて触って痛いとか何とかも、まず分からないような状態ですしね。でもそれは、僕の中では折込み済みだったんです。だって(童心社さんには)松谷みよ子さんの『いないいないばあ』みたいな赤ちゃん絵本が既にあるんです。あれ一冊でもう十分だろうという感覚すらするぐらいで。全く同じ層に向けて赤ちゃん絵本を作りたいと言ったって、似たようなものをつくってもしょうがないし。むしろ、読んであげるお父さんお母さんが楽しんでくれればいいなあと。そこから出発したんですよ。
 おかげさまで、読み聞かせに使ってくれたり、(絵本ナビの様な)サイトに親御さんが投稿してくれているのを見ると、やっぱりそれなりに楽しんでくれているんだなと思いますね。


■ 制作の秘密                    

「ももんちゃん」シリーズというと、本当にお母さんたちの人気がすごく高いという印象があります。その理由の一つとして、実際に声に出して読んでみるとよくわかるのですが、何回繰り返して読んでも楽しいというのが大きくあるように思うのです。子どもというのは、繰り返し繰り返し「よんで!」という事が多いのですが、これが意外と大変。でも「ももんちゃん」シリーズは、テンポや間の良さだとか、「どんっ」「のっしのっし」「ぽっぽー」などなど繰り返しの言葉の面白さだとかがあって、読んでいてとても気持ちがいいし、飽きないというのもあって。そういう意味でお母さんたちも読んでいるうちに、どんどんこのシリーズにはまっていくのかもしれません。


―― 言葉を考える時には、発音やリズムなど、声に出して読んだ時の感じというのにこだわられてつくっているのでしょうか?

 僕の場合は、絵と文が同時に浮かんでくるんです。だから、削っていくという作業がほとんどないんですよ。この言葉しか出てこないんです。ラフスケッチする時、コマ割りしていく時に、もう絵が出ると同時に脇に言葉が入ってくるわけですよ。推敲してもう一回考えて、この文字は余計だなとか、そういったそぎ落とすという作業がないんです。擬音語も擬態語に関しても、あんまり変わったものは使ってないはず。犬は「わんわん」、猫は「にゃーにゃー」という程度の、凡庸な言い回し。電車は「がたんごとん」って、非常にありきたりの言葉を使ってるんですよ。だからそれをあまり言われると、「俺、そんなに考えてないぞ。」って(笑)。


―― 「ももんちゃん」を読んでいると、絵と言葉の進んでいくテンポがぴったりくるんです。だから、読んでもらっている子の方も、次のページをめくると登場する場面まで全部覚えちゃったりして。なるほど、絵と文章が同時に浮かんでくる・・・リズム感や間の良さというのは、その辺りに秘密があるんですね。

 だから、絵を描き出したら早いです。だって、言葉がもう同時に出てきていますから。長い文章じゃないですし。擬音語や擬態語も意識しているわけではないんです。ただ、ここに入れるにはこれだろう、と入れていく。当然、ページ数に制限があるので、最初の段階ではページ数のコマ割りでつくっていきますよね。これが出来上がったら、今度はダミーといって、こういう形につくっていくわけです。

そういって見せてくれたのは、制作中だった最新刊『すいかくんがね・・』という絵本のラフ。
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▲直筆です!
※『すいかくんがね・・』は2010年5月上旬に童心社より発売予定です。


 ここに来る段階ではもうほとんど出来上がっている状態と同じ。本のページをめくっていくということが大事だから、これをやらないで絵本なんか作れないわけ。絵本作家さんは、誰でもやってますよね。こんな感じで作っていく。これは、まさに最終的に「こうなったよ」という状態。後は、これでOKもらえば、原画作業に入るわけです。この時には、やっぱり(完成形の)この文字しか入ってないんです。ここの段階ではもう変更はないですね。


―― ももんちゃんというと、この「ピンク色」というのも、とても印象的。このピンクというのは、赤ちゃんらしい、象徴的な色という事で使われているのでしょうか?子どもたちもお母さんたちもすごく好きな色だと思います。その他に登場してくる「さぼてんさん」や「きんぎょさん」などもとっても発色がきれいですよね。


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 「ももんちゃん」シリーズは、このピンク色が欲しかったんです。この発色がね。通常の印刷方法だと、ピンクというのは出にくい色なんです。他の色と掛け合わせると、沈み込んでしまうんですね。だから、100パーセントベタでこのインクの色が欲しい時は、特別な色、特色をそのまま印刷するんです。要するに版画に近い印刷ですね。ですから、版も描き分けているわけです。ピンクはピンクの版、という風に。それを印刷する時に重ね合わせて色を出したりするんです。ですから、出来上がってみないとわからない、という部分もあるんですけどね。このやり方は、昔、石版画で刷っていた時代からのやり方で、印刷技術としては特別に変わったやり方というわけではないんです。このピンク色が欲しくて、そういう形になりました。

 ピンクでも色々なピンクがありますよね。ちょっと転ぶと印象も全然変わる、微妙なところがあるんです。だからこそ、こだわっています。全ての表紙の背景は、この色をメインにしています。お母さん方が「この子は女の子だ」という受け取り方をされる事が多いのは、この色に拠るところが大きいんだなあ、というのはわかりましたね。ピンクの面積がかなり占めていますからね。


―― それから、「ももんちゃん」シリーズというと、すごく気になっている方も多いと思うのですが、お友達として登場するのが、きんぎょさんやさぼてんさん、そしておばけさん。特にきんぎょさんが、電車ごっこをしたり、お相撲とったりしているのが可笑しくてしょうがない(笑)。砂漠と赤ちゃんというのも、なかなか結び付きませんよね。本当に不思議な発想です。

 そんなにおかしいですか?(笑) あのね、よく質問受けるの。なぜ金魚とサボテンなんだって。でも、それを説明しきれるほどの自分がいないんですよ、そこにね。だから理屈じゃないところでやってるんだろうなあ、と思うんです。サボテンを出した時に、なんかちょっと水気が欲しいなあと思って、金魚を出したっていう感覚かなあ(笑)。砂漠というのも、順序としてはむしろサボテンが先だったと思うんだ。サボテンのほうが先で、じゃあサボテンの生息地は砂漠だろうな、というね。


―― とよたさんの作品というと、電車の絵本がたくさんあったり、おばけが登場したり。好きなキーワードというのがあったりするんですか?

 ひとりの人間がやってるから、それはどうしても好みというのは隠しきれないだろうね。ああ、この人は乗り物好きなんだろうなとか、ね。だから、花とか植物とかはあまり知らないから、描かない。自分の中にないものはね。実は、食べ物もそうだったんです。食べ物にあんまりこだわらない方なんですよ。珍味だとか、高級料理だとかね。でも、今新作で「おいしいともだち」シリーズを描き始めたんです。このシリーズの特徴は素材だけだったんで。それならできる、豆腐なら豆腐、納豆なら納豆でいいってね。それなら好きだもん。
※その新シリーズのテーマもとっても個性的!後ほど少しだけご紹介しますね。

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■ アイデアの源泉は・・・       


―― 「ももんちゃん」シリーズのお話を考える時、誰か具体的なモデルがいたりするのでしょうか?例えば自分のお子さんの事を思い出したり、お孫さんが遊んでいる様子を実際に見ながらアイディアが浮かぶという様な事はあるのでしょうか?
 
 それは、あまりないですね。小学校の授業なんかに行くと、よく「この作品を作るのにどれぐらい時間がかかりましたか」という質問があるんですよ。僕は今、62歳だから、新作『こちょこちょももんちゃん』をつくったんだけど、それは62年かかってるということなんだろうと思うんですよ。言葉として。覚えているか覚えていないかは別問題として、自分の記憶や見たものというのは、ずっとつながってきているわけだから。自分の子を見たり、ひと様の子を見たり孫を見たりすることも、全部複合的に入ってて、「これだ、これがヒントだ」というのは実はないんですよ。例えば「こんなおもしろいことがあった。とよたさん、これ、絵本にできない?」というような、アイディアをもらう時もあるんだけど、それは右から左に抜けていっちゃうのね。自分で血肉化してないと、やっぱりだめなんですよ。作品にはできない。

 子どもに向けて本を描くというのは、その人の大人度が計られるんですね。この歳になるとよくわかるんですよ。色々なものを経験していないと、なかなか描けないもんだなあ、と。子どもの本に関わっている以上、思いっきり大人になって、思いきり子どもに戻れるということが、必要要素なんだってことだよね。作品はあんまり汗水みせたくないから、「ふふふん」と鼻歌うたって出来上がった様にはしたいですけどね。


―― 「自分の中から出てくるもの」というのが、一番のこだわりという事なんですね。

 中でも、確たるものというのは、やっぱり幼児期です。環境によって子どもの状況というのは変わってくる。僕らの時代には携帯も、パソコンもなかったわけだし。要するに、学齢前。学校に入ってから環境が変わっていく、これはしょうがない。ただ、幸いなことに僕が今やっているジャンルというのは学齢前だから、これは変わらない。人間の核たるものは昔から変わっていない。だからそこら辺に信頼感があるわけですね。その頃の感触というのは、自然に出てきますね。


―― ちなみに、とよたさんは小さい頃どんなお子さんだったのでしょう?

 「やっぱり小さい頃から絵が好きだったんですか?」と聞かれる事がよくあるんです。でも、ペンがあったらいつも描いてる、というほど好きではなかったし、平々凡々、普通だった。もし僕が親の立場だったら、「この子、こういうところ変わってるね」なんていうのは、多分なかったと思うよ。だって母親もそんなこと絶対言わなかったし、才能あるとかなんとか、全然思いもしてない。もう平凡にあがってきてますよ。結局、どの時代に特に影響を受けてというよりは、もう62年間の積み重ねですね。


■ ちょっと変わった「あかちゃん絵本」     


―― それでは、この「ももんちゃん」シリーズをどんな風に楽しんもらいたいか、というのはありますか?

 乳幼児に向けた絵本を作るということは、本当の読者にいく為には間に大人の存在が必要なわけですよね。親が読んであげたり、保育園の先生が読んでくれたりするという仕組みをもって、一種の二重構造だね。そうすると読む側が「おお、こういうのありか」「こういうの、おもしろいじゃん」というぐらいで楽しんで読んでもらえれば。読んでもらう赤ちゃんにとっては、砂漠がどうだとかサボテンがどうだなんてことを、いちいちこだわってないんだよね。ですから読んであげながら楽しんでくれれば、それが一番ベスト。そのままで伝わるということですよ。いやいや読んであげていたら、やっぱりあんまり子どもには伝わってないよね。

 だから、親子で楽しむということが、基本にあるわけです。本当の読者、あかちゃんが黙って自分で読むわけないからね。例えば、子どもをひざに乗っけて読んであげる時なんかに、読んであげる大人が楽しんでくれたらいいなあ、というのはありますね。だから僕はサボテンとか、金魚とか出したんだと思うんだ。あかちゃんにちゃんと依拠してやるんなら、犬とか猫とかって形になっていると思う。


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これは個人的な体験ですけど、子どもが生まれる前は、「あかちゃん絵本」というと、観念的にあかちゃんはやっぱり鮮やかな色の方がとか、犬や猫は知っているから喜ぶとか、形がはっきりしているのがいい・・・そういう思い込みがあったんです。でも、実際に「ももんちゃん」を読んでいくうちに、あかちゃんの反応ってもっと色々あるんだなあと発見したり、「あかちゃん絵本」と一口に言っても、こんなに色々な世界があるんだなあと感動したり。「あかちゃん絵本」の面白さを知るきっかけにもなったのです。

―― やはり、最初から「今までにないあかちゃん絵本を」というのを想定されてつくられていったのでしょうか?

 そこまでは意識していなかったような気はするの、結果論ですね。
 生まれたてのあかちゃんに、「この世界は面白い」なんてストーリーがあったってわからない訳だから、大人にとって、やっぱりどこか物足りなさがあるっていうのは当り前なんだよね。「ももんちゃん」シリーズは、ちょっとそこから逸脱したんですよ。この絵本を中学生に読み聞かせした先生がいてね、中学生から色々感想文が来たぐらいだから。だから最初は「あかちゃん絵本」ってうたわなかったの。
 でも今度は、本当にファーストブック的なものを作ろうと思っているの。何となく揺り戻しがあってね。そうすると今度はやっぱり犬や猫、ひよこさん。赤ちゃんは生き物が好きだから。一方ではそういうのも創ってみたくなって。


―― 「ももんちゃん」も、他の作品も含めて、自分がやっていない事はやってみたいというのは、表現者として常にあるということなんでしょうか?

 でも、それはやっぱり作為的なところがあると見抜かれるよね。ちょっと言うには恥ずかしい言葉だけど、素直な気持ちってやっぱり大事なんだよね。何でここで笑ったのかとか、突然泣き出したのかとかっていうのが、違和感もなくすっと入っていける形。「これはなんで泣いたんだ?」という理由づけを要求されないような絵の力であり、前ページが次のページへ引っ張ってくる、引き寄せる力みたいなものがないとね。読者はすぐにわかる。創っている時に、どこかちゅうちょしてるような段階で出した場合っていうのは、本当にだめ。読者は怖いです。


―― 実際に反応の違いというのは実感されながら・・・?

 うん、わかる。でも、あいまいであっても、それに答えられるように自分がちゃんと用意できてれば、大丈夫なんです。例えば『ももんちゃん えーんえーん』。


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ももんちゃん えーんえーん』 とよたかずひこ さく/え  童心社
泣いていたひよこさんのお父さんが迎えにきて、やっぱり泣いていたひつじさんのお母さんが迎えにきて、安心したももんちゃんはまたお昼寝をします。


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 最後のページに「なんで、ももんちゃんのお母さんがいないんだ」という声が実に多いんですよ。ひよこさんのお父さんが来て、ひつじさんのお母さんが来て、当然今度はももんちゃんのお母さんが・・・と期待しているわけですよね、読者は。後姿でもいいから、お母さんの姿が欲しいという声がいっぱいあったんです。そういう声があるだろうという事は僕の中では織り込み済みなんです。やっぱりお母さんが来たら安心するんだよね。でも実際には、裏表紙でお母さんは実はそんな遠くにはいなかったんだよ、という事を暗示しているんです。あくまで本というのは本文ページで完結しなくてはいけない訳なので、裏表紙まで引っ張っちゃいけないんですよ。裏表紙は余韻のページだから。これがあってもなくても成立しないといけない。だから、僕はこの終わり方で成立しているんです。
 これは、“自立したあかちゃん”というテーマ。だいたい大平原に赤ちゃんが一人で寝ているわけないですから(笑)。ここでお母さんの姿があると、その設定自体が崩れちゃう。そうすると、ここはずっと終始一貫して最後まで何事もなかったように終わるんです。これは自立していないと。お母さんが出てくれば、それは終わり方としてきれいなんですけどね。最後はお母さんを出した方がいいんだろうか、だめなんだろうかって迷っている時はダメだよね。


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▲「ももんちゃん」シリーズの裏表紙は余韻にひたれる大事なポイント!とよたさんも大事にされているそうですよ。またそういった目で他の作品も楽しんでみてくださいね。


■ 待望の最新刊は、『こちょこちょ ももんちゃん』        


そして、この度「ももんちゃん」シリーズの最新刊『こちょこちょ ももんちゃん』が発売されました!なんとシリーズ12冊目になるんです。
この取材時はまだ発売前。その最新刊についても少しだけお伺いしました。

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こちょこちょ ももんちゃん』 とよたかずひこ さく/え  童心社
ももんちゃんがよぶと、こぐまさんもきんぎょさんも、「はーい!」。みんな“こちょこちょ”されて、「あはははは・・・」。さいごはももんちゃんが・・・!? 読み終わったあと、親子のふれあいにつながる絵本です。とにかく、とろけそうな幸せ顔がたまりません。 

             


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―― こちょこちょされているみんなの顔が本当に可愛くて・・・。更に、『どんどこ ももんちゃん』からのファンには嬉しい仕掛けもあるんですね!

 そうなんです。もう一回『どんどこ ももんちゃん』的な、まっすぐ向かっていくような感じのものを作りたかったんです。今まで色んなパターンで描いてきて、少し間を置いたので、ここでもう一度そこに戻りたい、と。『どんどこ ももんちゃん』ではくまさんを倒しているんですけど、今度は、こぐまさんなんですよね。その子どもっていう発想。だって、一度どーんってやったくまさんにちょっとねえ(笑)。


―― 本当だ!ちょっと小さい。(笑)。このきんぎょさんはまた・・・。

 でかいでしょう。そこはでかくしたかったんだよね、本当に。そこを中途半端にリアリティーにしてもね。どうしても寸法が合わないでしょう?そう言われちゃうと困るんだけど、デフォルメだよね。そこは許してもらう。でっかく脇の下をこちょこちょやってくれないと。だから小学生に読み聞かせした時、「でけえ~!」って言ったもん(笑)。「金魚がでっけぇー!」って言った。

 この間小学校で読み聞かせした時、たまたまこのダミー本が出来上がったからってやってみたら、子どもたちが金魚のところで「でけえ~!」って。1年から6年まで。「でけえー!」っていう言葉は拒否された言葉じゃなかった。おもしろがっていて。その大きさもOK、許すっていう「でけえ!」だった。非難の声でないことは読み取れる。ああ、彼らは受け入れたんだ、このでかさをって。
 でもこれ、読み聞かせが難しかったなあ。普段、読み聞かせる時は、拡大していくんですよ。でもこれはまだダミーの段階だったから、この大きさで400人はきつかった。


―― 400人ですか!? すごいですね・・・。

 そうそう。400人はきつい。見えない見えない。でも、見えなくてもそのでかさがわかったっていうのは、すごいなあと思ってね。


―― その最新刊を含めると、シリーズで12冊にもなるんですよね。ここまで人気があって、続いているというのは感慨深いものがあるのでは?

 絵本っていうのは作るのは作者だけれど、やっぱり読者の手に届けるには出版社の営業力って大きいんですよね。作品に本当に力があって、黙ってても売れるというのは、中にはあるのかもしれないけど、そう甘くはないよね。だから同じように出しても、うまくいったかどうかわからないです。自分一人だけの力じゃ絶対ない、ということはわかるよね。作品だけがいいから売れるでしょう、ということは言えない。だから12冊めだから感慨深い、というのはないです。



■ 新シリーズ「おいしいともだち」もちょっとだけご紹介     

―― 先ほどのお話にも少し出た食べ物絵本「おいしいともだち」シリーズ。こちらもとっても気になるんです。

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▲キーワードは「しんぱいごむよう!」


 「ももんちゃん」シリーズは“あかちゃんの自立”をテーマで描いてきたけど、こちらは“食べ物の自立”なんです。人間は一切出てこなくて、例えば、おにぎりが自分で自分をにぎるんです。3つのおにぎりが、自分たちで具をおなかに、入れるんだけど、どれがどの具だったかわからなくなっちゃって。でも「しんぱいごむよう!」。ちゃんと解決するんです。

 食べ物の自立というのはあかちゃんの生命力と結びつく。食べ物、その素材自体の生命力というか、自立。『どんどこ ももんちゃん』からつながってきてるんです。食べ物が本来持っているエネルギー、子どもが本来持っている生命力というものにもっと期待していいんじゃないかなと思って。人も食べ物を描くのも、そんなに変わらないですよね。

 さっきも言ったんですが、僕は食べ物には全然こだわらない方なんです。だから、例えば納豆と言っても、調べてから描くという事はしないんです。普段そういうことに興味があるわけじゃないから。どうして発酵させてできるとか。僕は全然そういうのは見ないでやっています。何も知らないで。ただ納豆は納豆で、考えないで食べてる状況でやらないと。だから豆腐は何からできてるかって、俺、子どもから質問されたら一瞬わからなくなっちゃうかもしれない、というぐらいわからない。豆腐は豆腐そのものが好きというね。でも冷や奴は、赤ちゃんにはむずかしかったですね。ビールのつまみなんて言ったってね(笑)。


■ 絵本作家とよたかずひこさんについて     

絵本作家とよたかずひこさんご自身についても少しお伺いしてみました。

――  絵本作家になられたきっかけ、というのはあったのでしょうか?

 当り前の話でつまらないけれど、子育てです。子どもができたから。子どもがいなかったらやってない仕事だと思います。

 最初の子どもができた時に、それまではイラストレーターの仕事はやっていたけれど、誰か他の人が描いた絵本を持ってくる訳だよね。僕は絵本の世界を全く知らなかったから、早く寝かしつける為に読み聞かせて。いい加減な父親をやっていたからね。その時は、その作品の世界には没頭していないわけ。だから、絵本作家になる素養は本当はなかったんですよ。

 でも「ああ、絵本というのはうまい下手の世界じゃないんだ。その人の作品の世界なんだ、説得力なんだ」というのがわかってきて。僕は今、その世界に近いわけですよ。あえて下手に描こうというんじゃなくて、ほとばしるもの。自分の描きたいものの形でいくと、さっき言った様に、突然金魚がでかくなるわけですよ。僕の中では。何の違和感もなくでかくなってるわけですよ。これは図鑑描いてる人間からしたらあり得ない世界ですよ。だから、描き手も変な制約から解放されるわけですよね。そこが絵本を作っていく楽しさだよね。


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―― それは本当に頭でっかちな所で考えちゃうと、「えっ、こんな絵が成り立つの」みたいに思ったりして。

 そうそう、それが前にはあった。イラストレーターの世界というのはやっぱりどこかで努力のあとと技術を見せないと申しわけないという気持ちがあるの。かなりカチカチになって描いてた部分があった。
でも絵本では、成り立つんだよね。子どもはそこら辺は割とクリアしちゃうんだ。子どもは絵の好き嫌いってないじゃないですか。最初はとりあえず何でも受け入れるよね。大人のほうが「この絵、嫌い」とかって、はじめからガードしちゃうけど、子どもは柔軟で、この人の絵は嫌いとか言わないよ。いったん全部自分でとにかく受け入れる。

 だから例えば『ぐりとぐら』はすごいんですよね。この間本屋さんに行った時、たまたま僕の前で、ちょっと不良っぽい男の子が彼女を連れて、児童書の脇をパッと通った時、「あっ、まだこの本出てる!」って言うんだよ。何だろうって思ったら、『ぐりとぐら』。出てるよ、そりゃあって(笑)。でも彼にしてみりゃ、そこで終わってるんだよね。幼児期からずっと絵本から離れてたんだけど、親に読んでもらった記憶だけがあるわけだよ。戻ってきたんだもん。でもそれって作者冥利だよね。「この本、まだ出てるんだ」って言って、彼女に説明するわけ。やっぱり子どもの本のありがたさだよね。    
だから誰が描いて、今現在その本がどう評価されてるのか。彼にとっては何の問題もないんだけど、でも何か一瞬記憶が戻るわけだよ。誰かに読んでもらったっていう記憶。これはすごい力だなあと思ったんです。絵本の力というのが。


―― 新しい読者がどんどん新しく生まれて、なおかつその人たちが20年30年たって、どこかに引っかかってるというのが、絵本のすごさですね。

 ありがたい世界に来たなって、僕は素直に感謝するんです。小学校に読み聞かせに行って、1~6年生まで授業1時間ちょっとしたって、何も伝えられませんよ。だけど、彼らに、そういえば小学生の時に変なおじさんが来て読み聞かせしてくれたよなあ、っていうのがどこかに残ってくれればいいな、というぐらい。そこで何もかも伝えようっていうんじゃなくて、今こういう作品を作ってるんだ、こういう仕事をしているだよと言って、本ができるまでのプロセスを見せてあげたりすると、小学校5、6年生はすごく面白がる。1時間ちゃんとつきあう。小学校6年生で僕より背がでかいわけですよ。こんな男にももんちゃん、大丈夫かなって思うわけ。「なんで俺にももんちゃん読み聞かせするんだよ」って、僕が6年生だったらそんな感じするからね。僕は、幼児期に読み聞かせをする時は、集中力がながくは続かないんだから出入りは自由にしているんです。それで騒いだって僕は全然気にならない、最初の出会いで絵本は楽しいんだなあっていう記憶が残ればいいの。そこで「さあ、聞きなさい」という雰囲気よりは、楽しかったなあって。僕はその記憶を残したいわけ。それを6年生にやる時も、同じパターンにするの。授業なんだけど、特別学校の先生の許可を受けてるから出入り自由で、眠くなったらそこで寝ていいからってやる。そうするとすごくリラックスするわけ。だから出ていく子はいないよね。


―― 絵本作家になられて良かったな、とういうのはそういう部分ですか?

 今言ったように、ひと様の子どもと出会える。なおかつ、保育園や幼稚園、学校に行ったりするのは、割とハードルが高いんですよ。誰でもいいっていうわけじゃない。多分僕が絵本作家でなくて、読み聞かせちょっとさせてって言っても、そううまくいかない。でも呼んでくれるわけですから、そうしたら行かない手はないですよね。


―― では、制作段階で一番面白いと思う瞬間はどんなときですか?

朝仕事場に来て、一人でずっとやってるんだけど全然飽きないんですよ。


―― じゃあどこの段階も、全部おもしろい?

 仕事ですからね。そんなにおもしろいはずはない。苦しいけど楽しい。楽じゃないですよ。でも飽きないんですよね。昼飯も夕飯も弁当作ってもらってるきているんです。ということは、それまでずっと仕事場にいるわけですよ。だから夕食になったら本当は帰らなきゃいけないんだけど、だんだん延びてきちゃって。だからそれぐらいおもしろいわけ。もう帰るのがもったいないぐらいまで、ずっと。だから労働時間にしたらものすごく長い時間労働やってますよ。このところですけどね。
僕は50過ぎてからだからね、本格的に絵本作品作り出したの。だから編集者にも「とよたさんは、遅咲きですね」って言われるんですけど。


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―― では、最後に絵本ナビ読者の皆さんにメッセージをお願いしてもいいですか?

 親が読み聞かせしてあげる時間って短いんです。今僕は反省ばっかりですよ。もう少しちゃんとやっとけばよかったなあというのが。今、図書館なんかで読み聞かせによく行っているんだけど、親子一緒にって呼びかけているんです。親子一緒にっていうと、最近、この2~3年は若いお父さんが来るようになった。これは顕著。昔はお父さんが来てても、何か身の置き場がないような感じでさ。僕はその気持ち、よくわかるの。自分がそうだったから。でも、それが今多くなって、僕、すごくいいなと思う。今の20代の若いお父さん、自然体で来てるんです。無理してないんです。それがわかった。

 そして、今お父さん、お母さんが一緒にひざの上にのっけて、そこで子どもに読み聞かせる時間って、本当に短いから、この時間を大事にしてねって思いますね。その間に絵本があったら一番いいなという感じ。絵本をツールにして、親子一緒に向き合っててねって。黙ってても娘はすぐお嫁に行っちゃうし、男の子は当然離れていく。それは自然だよ。だからこの時期だけ。うんと大事にしてね。だから絵本の内容なんかどうでもいいんだ。逆に言うとね、何かそこであればいい。親子の向き合う時間が、その時間を共有できるというのは子にとっても幸せだけど、親にとってもうんと幸せな時期なんだ。

 非常に大変なことはいっぱいあるよ。面倒くさいなあ、わずらわしいなっていっぱいあったことを含めても、子育てというのは、とても貴重な時間で二度と体験できない。孫とは違うんだよ、やっぱり。だからその時期をうんと大事に。意識的にその時間を、今いるんだっていうことを頭の中で意識したほうがいい。この子はすぐ大きくなっていくんだよっていうことをわかった上でやると、愛おしいじゃない。この時間そのものが。

ありがとうございました!
絵本ナビ読者に向けて直筆メッセージも描いてくださいました。
じっくり考えながら・・・


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↓こんな素敵なイラスト入りメッセージが完成しました!


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最後に記念にパチリ。


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<取材を終えて・・・>
絵本作家になった事で学校などに招かれて、沢山の子ども達に会えるのが嬉しいというのが、何ともとよたさんらしいエピソードですよね。本当に子どもが大好きな様子が伝わってきます。
実はずっと以前にお会いした事があったのですが、その時のことをとてもよく覚えてくださっていたとよたさん。
一緒に仕事をされた方はみんなファンになってしまう・・・と評判なのも納得なのです。
個人的に「ももんちゃん」への思いの丈を語りながら、とても楽しい時間を過ごさせて頂きました。

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